2014年1月18日土曜日

宇宙戦艦ヤマト2199考Ⅵ



5     神の数式 ~明晰~

 2199ヤマトにおいて次元波動砲を撃った回数は、

浮遊大陸前線基地破壊
       恒星グリーゼ581のフレアに向けて発射
       異次元断層内での位相境界面への発射
       バラン星のコア及びバラン鎮守府破壊
       ガミラス本星総統府に落下してくる第二バレラス633工区の破壊

の5回となっています。


 最初の試射を兼ねた浮遊大陸破壊を除き、あとは全て回を重ねるごと精神的に昇華され「信念」を伴った男の行動として次元波動砲が放たれます。特に、最後のガミラス本星総統府に落下してくる第二バレラスを破壊し敵ガミラス人民を救った「行動」によって波動エネルギーを武器に転用した件でのスターシャ・イスカンダルの怒りを鎮静化しC.R.S.の受領を可能にしました。
 

 そんな物語の大きなターニングポイントにもなった次元波動砲の具体的な原理は、真田によるとブチンスキー波動方程式の特殊解に従い、コンパクト化されたカラビ-ヤウ空間の一部を解放するというものです。


 次元波動エンジンは「真空からエネルギーを汲み上げることで莫大なエネルギーを無補給で生み出すことができる、夢の無限機関※1」とされています。
   M理論による仮説で、宇宙は11次元(空間次元10+時間次元1個)で誕生したが、そ
  の後、5次元以上の余剰次元は観測不可能な大きさとなって宇宙全体に重なり合ってい
  るとされています。※1


次元波動エンジンはその余剰次元を元の大きさへ戻すことができる機関であり、その際、余剰次元に力を及ぼしていた重力が開放されることでマイクロブラックホールが生成され、ホーキング輻射を伴って蒸発するマイクロブラックホールの莫大なエネルギー放射を人為的に取り出す機関※1※1 以上 Wikipedia「次元波動エンジン」より)ということです。


ともかく素粒子理論において、超弦理論では余剰次元が折り重なっていることをコンパクト化されたカラビ-ヤウ空間と言っていて、それをもとの状態にもどすことでマイクロブラックホールを人為的に作ってそこから莫大なエネルギーを取り出しその一部を開放する行為が次元波動砲を撃つことのようです。

空想や仮説の部分も当然あるのですが数学や物理学の世界は明晰でないと門外漢には内容を理解することすらままなりません。


「物理学の最終目標に神の数式(究極理論)の探求があります。アインシュタイン以来、物理学者たちはあらゆる現象に対し発見した定理を数学の言葉に置き換えたいと血眼になってきました。ひとつの数式であらゆる現象を説明することができたならそれこそが神の数式といえるのではないか。※2

「全ての物理学者は万物の理論(Theory of Everything)を見つけることを夢見ています。自然界のあらゆるもの、素粒子から大宇宙までも説明できるものです。※2

「基本素粒子の4つ(電子:e ニュートリノ:ν クォーク:u d)とそれをまとめている電磁気力、強い核力、弱い核力を完全に理解できれば、この世のすべてが説明できると信じているのです。※2(標準理論:数式参照)」


求める最後の素粒子としてヒッグス粒子というものが最近セルンによって発見されました。この標準理論によって今考えられていることが、「宇宙は、設計者である神の数式によって誕生し、当初は設計図通りの完璧な対称性を保っていた。
   そこではあらゆる素粒子に重さがなくバラバラに飛び回っていた。しかし、ヒッグ
  ス粒子などが起こす自発的対称性の破れによって素粒子に重さが生まれ、その結果、
  素粒子がまとまり原子がつくられ星々が輝きはじめ銀河も形成されていった。※2

※2以上、NHKスペシャル「神の数式」より)

 

    数学も物理学も門外漢ですが、この標準理論における基本素粒子や電磁気力、核力、ヒッグス粒子の並びの構成をみて非常に美しい数式だと思います。


ここからは妄想の類ですが、「次元波動理論」はこの基本素粒子にまつわる余剰次元と重力の関わりを解き明かしこの標準理論にそれらを加味した理論となっているように感じます。当然、11次元もあるといわれる余剰次元とともに生成される次元波動には時空も越えた波動として生命や進化の記憶があると思います。これらの理論はC.R.S.へも応用され後に地球再生の鍵となります。

ユリーシャが森雪に手渡した鉢植えの碧水晶「秘めた命、秘めた思い」がイスカンダル星で咲き誇っています。


次元波動理論を証明した方はこの碧水晶の花言葉の成り立ちからその理論を思いついた頭脳明晰なロマンチストなのかもしれません。

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